こんにちは。grow-upです。
あなたは運がいい方ですか?それとも悪い方ですか?
偶然が重なって出来る”運”。決してコントロール出来るものではありませんが、運に対する解釈や、運がよくなっていく(であろう)方法を教えてくれる本があります。
喜多川泰さんの『運転者』です。
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主人公は証券マンである岡田修一。真面目に働くものの、仕事は上手くいかない・娘が不登校・母の介護が心配と負の連鎖が続いていた。なんで俺ばっかりこんな目に会うんだよ…と思ったその時、目の前にタクシーが。「お代は頂いてます。行き先も知ってます」という不思議な運転手が向かう場所で、人生を変える不思議な出来事が起こり始める…
誰もが聞いたことのある”報われない努力なんてない”という言葉。果たして本当にそうか?と思う経験ありますよね。頑張ったのに成果が出ない自分と適当にやってるのに成果が出るあいつ。人生不公平だ!運がいいだけだ!そう感じることは多々あります。
では、運を呼び込むにはどんなことが必要なのでしょうか。作中ではこのように説明しています。
「運が劇的に変わる時、そんな場、というのが人生にはあるんですよ。それを捕まえられるアンテナが全ての人にあると思ってください。そのアンテナの感度は、上機嫌の時に最大になるんです。逆に機嫌が悪いとアンテナは働かない。最高の運気がやってきているのに、機嫌が悪いだけでアンテナが全く働かないから、全ての運気が逃げていっちゃうんです。昨日のあなたみたいに」
機嫌が悪いと運が逃げる。不機嫌な人に仕事を頼みますか?不機嫌な人と遊びにいきますか?言われてみれば至極まっとうな考えです。
しかし、普段の仕事のストレスはプライベートの厄介ごとに頭を悩ませ、知らず知らずのうちに不機嫌になっていることはありませんか?それは自然と運を逃していることになるんだそうです。
逆にいつも上機嫌でいればいろんな情報が入ってきていい行動が起きる可能性が高まるということです。上機嫌でいれば、幸せの種を育てることができると。
作中の運に対する考え方はこうです。「運はいいか悪いかではない。貯めて使っているかどうかである。」
どういうことかというと、頑張って何か行動をしている時は、運を貯めている最中です。貯めてはいますが、すぐ使える(いいことが起きる)かどうかは分かりません。種を撒いたその日に収穫することができないように。
そうやって貯めた運はいつか必ず使える日がきて、その時初めて「あの時頑張ってよかったな」と思えるわけです。しかし、その運は必ずしも自分に降りかかる訳ではありません。自分ではなく、自分の息子に受け継がれる可能性もあります。そうやって運は代々受け継がれているのです。
なんで俺ばっかりという人は、運がまだ貯まりきっていないのです。あるいは、貯まっているのに不機嫌だから使うチャンスを逃しているのです。常に上機嫌でいることがキーになっています。
作中で最も好きな言葉があります。
「自分の人生にとって何がプラスで何がマイナスかなんてそれが起こっている時には誰にも分かりませんよ。どんなことが起こっても、起こったことを自分の人生において必要だった大切な経験にしていくこと、それが<生きる>ってことです。長い目で見たら、報われない努力なんてありません。あまりにも短い期間の努力で結果が出ることを期待しすぎているだけのことです。」
かつてキンコンの西野亮廣さんが近畿大の講演会で話した内容が話題になっていましたよね。「過去は(捉え方次第で)変えられる」という言葉です。
まさにその言葉通りで、その瞬間はいいかどうかはわからない。その経験を自分のものにしていくことが重要であると。私の座右の銘である「人生に無駄なことなんてない」に当てはまります。
また、努力をしている中で早く結果を求めすぎてしまう自分にハッとしました。野菜の収穫も、スポーツの習熟度も、お金の投資も、短いスパンではさほど変わりません。少しづつしか変わらないのに、そのことに固執しすぎる人は意外と多いのではないでしょうか。
運転者というタイトルは、”運”を”転”ずる者意味が込められています。小説なので読みやすく、物語に引き込まれながらハッとする言葉がたくさん出てきます。
運が悪いな、うまくいってないなと思う人は、まずは上機嫌でいることから始めてみてはいかがでしょうか。
読んでいただき、ありがとうございました。